お問い合わせや資料請求の完了後に表示される「サンクスページ」。このページを検索エンジンにインデックスさせるべきかどうかは、SEOとコンバージョン計測の両面から慎重に判断する必要があります。本記事では、サンクスページの扱いに関する誤解を整理し、正しい対応方法をわかりやすく解説します。
こんな人におすすめ
- Web制作・運用に関わるディレクターやエンジニア
- 自社サイトのSEO対策を行っている担当者
- Googleアナリティクス(GA4)でコンバージョン計測をしている人
- お問い合わせ完了ページの設定で迷っている人
目次
サンクスページとは?その役割をおさらい
サンクスページ(Thank Youページ)とは、ユーザーがお問い合わせフォームや資料請求、購入などのアクションを完了した後に表示されるページです。主な目的は、ユーザーに処理の完了を伝えるとともに、次の行動(SNSシェアや他ページへの誘導など)を促すことです。

インデックスさせるメリット・デメリット
サンクスページを検索エンジンにインデックスさせるか否かは、サイトの性質によって慎重に判断すべきです。
インデックスを許可すれば、ページの内容が検索結果に表示される可能性があり、思わぬ流入や評価を得られるかもしれません。しかし、その一方で、リスクも少なくありません。
インデックスによる意図しない流入のリスク
最もよくあるリスクは、ユーザーが「サンクスページ単体」に直接アクセスしてしまうことです。たとえば、「お問い合わせありがとうございます」とだけ書かれたページが検索結果に表示されてしまうと、ユーザーの混乱や信頼性の低下につながります。
また、複数のサンクスページが生成される仕組みでは、コンテンツの重複としてSEO評価が下がる可能性もあります。
インデックスを許可したほうがいいケースは?
例外として、サンクスページにユニークなコンテンツやSEO価値のある情報が含まれる場合(例:ホワイトペーパーのダウンロードURL付きページなど)は、インデックスの価値があることもあります。
ただし、その場合も**意図しないアクセス制御(canonical設定や限定公開URL)**などの工夫が必要です。
SEOの観点から見た最適な対応
SEOの基本原則として、ユーザーにとって価値がないページや、検索結果での表示意図がないページはインデックスさせない方がよいとされています。
サンクスページもその例外ではなく、検索順位を争うページ群に含めるべきではありません。
Googleも明示的に「検索結果の品質向上のため、同様のページをインデックスしないようにするのが望ましい」としています。
結果として、サンクスページは基本的に**<meta name="robots" content="noindex">
**の設定を推奨します。
計測の観点で見るサンクスページの重要性
GA4や他のアナリティクスツールでは、「サンクスページの表示」をコンバージョン(CV)完了のトリガーとして使うのが一般的です。
そのため、「noindexにすると計測できないのでは?」と誤解されがちですが、実際はnoindexと計測は無関係です。
noindexでも計測に問題はないのか?
答えは「問題なし」です。noindexは検索エンジンに対する指示であり、ページの表示やJavaScriptの実行、GAタグの発火には何の影響もありません。
したがって、サンクスページにGAタグを設置し、かつnoindexを設定することで、SEOと計測の両立が可能です。
GA4イベントとの使い分け方
GA4ではURLベースの計測だけでなく、「フォーム送信」などのイベントトリガーでCVをカウントする方法もあります。
もしフォーム送信後にサンクスページが表示されない設計(モーダル表示など)であれば、URLの遷移ではなくイベントベースの計測が必要です。
反対に、明確にURLが分かれているサンクスページがある場合は、URLルールでのCV設定が便利です。
noindexの正しい使い方と設定例
サンクスページをnoindexにするには、以下の方法があります:
<meta name="robots" content="noindex">
をhead内に記述する- WordPressの場合、特定の固定ページに「検索エンジンにインデックスさせない」チェックを入れる(Yoast SEOやAll in One SEOなど)

robots.txtでの制御はNG?よくある間違い
「robots.txtでサンクスページをブロックすればOK」と考えてしまう方もいますが、これは誤解です。
robots.txtでブロックされたページは、クローラーが中身を見に来られません。そのため、中にあるnoindexタグを認識できないのです。
結果として、URLだけがインデックスされてしまうという状況が起きます。
このため、robots.txtではなくnoindexメタタグで制御すべきです。
結論|原則はnoindex、ただしケースバイケースで判断を
サンクスページは、SEO上のリスクと、ユーザー体験の観点からも「原則としてnoindex」が安全な選択です。
ただし、コンテンツに価値がある場合や、意図的な流入を許容する場合は、インデックスを許可する判断もあり得ます。
いずれにせよ、サイトの目的とページの性質に応じて慎重に判断することが重要です。
この記事のまとめ(h2)
- サンクスページは完了通知とCV計測のためのページ
- SEO上はnoindexが基本で、意図しない流入を防ぐことができる
- GA4などの計測にはnoindexの影響はないので安心
- robots.txtでの制御は避け、noindexメタタグを使うのが正解
- インデックスさせる場合は、流入意図とSEO影響を十分に検討する
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